Excelで数字(JANコード8桁/13桁)からバーコードを作成したいときはないでしょうか。
けど、そんな中で悩むことは、
ですよね。
今回はそんなお悩みを解決する
・VBAで数字(JANコード8桁/13桁)からバーコードを一括作成する方法
についてまとめます!
もくじ
Excelで数字(JANコード8桁/13桁)からバーコードを作成するイメージ
Excelで数字からバーコードを作成するイメージについて説明をします。
まずは標準機能でExcelのシートから手動でバーコードを挿入していきます。
バーコードを設置できたら手動でバーコードの種類(JANコード8桁/13桁)を変更したり、値を設定したりします。
次にVBAでバーコードを一括で作成していきます。
値をA列に設定し、バーコードのサイズはB列の縦横の幅に自動調整するようにします。
一括でバーコードが作成できると便利ですよね!
早速試してみましょう。
JANコードとは
まず、JANコードについて説明をします。
JANコードとは商品管理や流通用として使用されるコードで、一般的にバーコードといったらこのJANコードを指します。
JANはJapanese Article Numberの略称で日本国内での呼び方となります。国際的にはEAN(European Article Number)コードや、GTIN-13、GTIN-8と呼ばれますが内容は同じです。
JANコードには、数字13桁の標準タイプ(JAN-13)と数字8桁の短縮タイプ(JAN-8)があり、Excelでは数字13桁の標準タイプがデフォルトとなっています。
バーコードの形式について
バーコードの形式には、一次元の線形バーコードと、二次元の2Dバーコードの2種類があります。
一次元のバーコードは、縦線と空白の組み合わせで構成されており、代表的な一次元バーコードには、UPC、EAN、Code39、Code128などがあり、今回作成するJANコードはこの一次元の形式に該当します。
二次元バーコードは、縦横に並んだブロックで構成されており、一次元の形式よりより多くのデータを含むことができます。
代表的な二次元バーコードには、QRコード、PDF417、Data Matrixなどがあります。
手動でバーコード(JANコード8桁/13桁)を作成する
手動でバーコード(JANコード8桁/13桁)を作成する方法について説明をします。
Officeでは「Microsoft BarCode Control」というライブラリが用意されていて、それを使うことによりバーコードのオブジェクトを追加することができます。
Excelで標準設定となっているのはJANコードの13桁桁のタイプとなりますので、まずはこちらのバーコードを作成していきましょう。
バーコード(JANコード13桁)を作成する
「開発」タブををクリックし、「挿入」>「コントロールの選択」ボタンをクリックします。
コントロールの選択ウインドウが表示されたら「Microsoft BarCode Control 16.0」を選択し「OK」をクリックします。
バーコードを貼り付けたい箇所へドラッグし、同時にサイズを調整していきます。
マウスをはなすとバーコードが生成されシートに表示されます。
次に、バーコードのコード(数値)を設定していきます。
先ほど貼り付けたバーコードオブジェクトを右クリックし「プロパティ」を選択します。
「プロパティ」ウインドウの「value」プロパティにバーコードの値を数字13桁で入力します。
バーコードの内容が変われば完成です。
バーコード(JANコード8桁)を作成する
次にJANコードの8桁のタイプのバーコードを作成していきましょう。
先ほど作成した13桁版のバーコードオブジェクトを選択し右クリックします。
「Microsoft BarCode Control 16.0オブジェクト」>「プロパティ」をクリックします。
スタイル「3-JAN-8」を選択し、「OK」をクリックします。
次に、バーコードのコード(数値)を設定していきます。
バーコードオブジェクトを右クリックして、「プロパティ」ウインドウを表示させます。
「value」プロパティにバーコードの値を数字8桁で入力します。
バーコードの内容が8桁に変わりましたね。
次はVBAを使い一括でバーコードを作成してみましょう。
VBAでバーコード(JANコード13桁)を一括作成する
VBAでバーコード(JANコード8桁/13桁)を一括作成する方法について説明をします。
今回は値をA列に設定し、バーコードのサイズはB列の縦横の幅に自動調整するようにします。
まずはJAN-13から作成していきますので、A列の値は13桁の数字を入力していきます。
VBAコード
VBAは以下の通りです。
Sub バーコードを生成する()
Dim intTop As Integer
Dim intLeft As Integer
Dim intWidth As Integer
Dim intHeight As Integer
Dim objBarCodeSetup As BarCodeCtrl
Dim i As Integer
'Excel表示シートのA列2行目以降にある値の件数分処理を繰り返します。
For i = 2 To Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
'B列セルの位置、サイズ情報を取得し変数へ代入します。
With Cells(i, 2)
intTop = .Top 'セル上部の位置
intLeft = .Left 'セル左側の位置
intWidth = .Width 'セル幅のサイズ
intHeight = .Height 'セル高さのサイズ
End With
'BARCODE.BarCodeCtrlタイプのOLEオブジェクトを追加し、選択状態にします。
ActiveSheet.OLEObjects.Add(ClassType:="BARCODE.BarCodeCtrl.1", _
Link:=False, DisplayAsIcon:=False, _
Left:=intLeft + 2, Top:=intTop + 2, Width:=intWidth - 5, Height:=intHeight - 5).Select
'選択したバーコードオブジェクトをオブジェクトにセットします。
Set objBarCodeSetup = Selection.Object
'バーコード コントロールのプロパティを設定します。
With objBarCodeSetup
.Style = 2 '2はJAN-13、3はJAN-8となります。
.Value = Cells(i, 1).Value 'A列の値をバーコードのValueプロパティへ設定します。
End With
Next
'オブジェクトを解放します。
Set objBarCodeSetup = Nothing
End Sub
VBAの設定
Excel表示シートのA列2行目からの指定となっていますが、行数を変更する場合は変数iの数値を変えてください。
For i = 2 To Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
バーコードの貼り付け先はB列となっていますが、C列など別の列にする場合はCellsの第二引数を変更してください。C列の場合は3、D列は4を指定します。
With Cells(i, 2)
VBAの実装
VBAの実装方法については
VBAの実装手順
をご参照ください。
VBAを実行
VBAを実行しましょう。
はい、B列にJAN-13のバーコードが一括で作成されましたね!
値も反映されています!
VBAの説明
VBAについて説明をします。
Excel表示シートのA列2行目以降にある値の件数分処理を繰り返します。
For i = 2 To Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
B列セルの位置、サイズ情報を取得し変数へ代入します。
With Cells(i, 2)
intTop = .Top 'セル上部の位置
intLeft = .Left 'セル左側の位置
intWidth = .Width 'セル幅のサイズ
intHeight = .Height 'セル高さのサイズ
End With
BARCODE.BarCodeCtrlタイプのOLEオブジェクトを追加し、選択状態にします。
バーコードの貼り付け位置とサイズは先ほどのセルの情報をベースに設定します。
ActiveSheet.OLEObjects.Add(ClassType:="BARCODE.BarCodeCtrl.1", _
Link:=False, DisplayAsIcon:=False, _
Left:=intLeft + 2, Top:=intTop + 2, Width:=intWidth - 5, Height:=intHeight - 5).Select
選択したバーコードオブジェクトをオブジェクトにセットします。
Set objBarCodeSetup = Selection.Object
バーコード コントロールのプロパティを設定します。
With objBarCodeSetup
.Style = 2 '2はJAN-13、3はJAN-8となります。
.Value = Cells(i, 1).Value 'A列の値をバーコードのValueプロパティへ設定します。
End With
Styleプロパティはバーコード シンボルのスタイルを指定するプロパティとなりますので、以下の表を参考に設定したいスタイルを指定します。
今回はJAN-13桁なので2を指定します。
バーコード コントロールStyle プロパティ一覧
Style | 説明 |
---|---|
0 -UPC-A | 商品のマーキングに広く使用されている POS シンボルです (米国とカナダ)。 |
1 -UPC-E | UPC の短縮バージョンです。標準バージョンのシンボルが印刷できないような小さい商品に使用します。 |
2 -JAN-13 | 国際的な規格の POS シンボルです。書籍や雑誌などを含め、すべての商品に使用します。 |
3 -JAN-8 | JAN の短縮バージョンです。標準バージョンのシンボルが印刷できないような小さい商品に使用します。 |
4 -Casecode | 製造会社や卸し売り会社が小売り店に商品を出荷するとき、梱包箱の外側に表示するシンボルです。 |
5 -NW-7 | 英数字を表すことができるバーコード シンボルです。コンピュータ機器など、特殊な商品のパッケージに表示します。 |
6 -Code-39 | 英数字を表すことができるバーコード シンボルです。FA (Factory Automation) をはじめ、工業用として広く使用されています。 |
7 -Code-128 | フル ASCII の 128 文字をコード化したバーコード シンボルです。 |
8 -US Postnet | 処理を自動化するため、郵便物に表示するバーコード シンボルです (米国)。 |
9 -US Postal FIM | 処理を自動化するため、郵便物に表示する特殊なバーコード シンボルです (米国)。 |
10 -カスタマバーコード | 処理を自動化するため、郵便物に表示するバーコード シンボルです (日本)。 |
参考:https://docs.microsoft.com/ja-jp/previous-versions/office-development/cc427155(v=msdn.10)
Valueプロパティはバーコードのデータを指定するプロパティなので、セルの値を指定します。
その他のバーコード コントロールのプロパティは以下の通りです。
プロパティ | 説明 |
---|---|
Style | バーコード シンボルのスタイルを指定します。 |
SubStyle | さらに細かいスタイルを指定します。 |
Validation | データの有効性を確認するかどうかを指定します。 |
LineWeight | バーコード シンボルの線の太さを指定します。 |
Direction | バーコード シンボルの表示方向を指定します。 |
ShowData | 数値データを表示するかどうかを指定します。 |
ForeColor | バーコード シンボルの前景色を指定します。 |
BackColor | バーコード シンボルの背景色を指定します。 |
Value | 作成するバーコード シンボルのデータを指定します。 |
参考:https://docs.microsoft.com/ja-jp/previous-versions/office-development/cc427149(v=msdn.10)?redirectedfrom=MSDN
オブジェクトを解放します。
Set objBarCodeSetup = Nothing
VBAでバーコード(JANコード8桁)を一括作成する
次はVBAでバーコード(JANコード8桁)を一括作成してみましょう。
A列の値を8桁の数字にしていきます。
VBAの設定
バーコード コントロールのプロパティを変更していきます。
「 .Style = 2」を JAN-8を意味する「.Style = 3」へ変更します。
With objBarCodeSetup
.Style = 3 '2はJAN-13、3はJAN-8となります。
.Value = Cells(i, 1).Value 'A列の値をバーコードのValueプロパティへ設定します。
End With
VBAを実行
VBAを実行しましょう。
はい、B列にJAN-8のバーコードが一括で作成されましたね!
値も反映されています!
VBAの実装手順
実装手順は以下の通りです。
Excel側にVBAを実装していきます。
①Excelを新規に開き、「開発」タブをクリックし、「VisualBasic」をクリックします。
もしくはショートカットキー「Alt」+「F11」でもOKです。
②標準モジュールを追加します。
左ペインのVBAProjectを右クリックし、「挿入」、「標準モジュール」を選択します。
③右ペインのウインドウに上記のVBAを入力します。
こちらで完了です。
VBAを実行する
では早速VBAの実行をしてみましょう。
①「開発」タブの「VBA」をクリックし実行したいマクロを選択し、「実行」をクリックします。
②処理がされたことが確認できれば完了です。
数字からバーコードを作成する際の注意点
バーコードを作成する際には、以下のようなミスに注意していきましょう。
数値のタイプミス
数値そのものを間違えてしまうと当然ながらあやまったバーコードが生成されますので、タイプミスに気をつけましょう。
バーコードのサイズが小さすぎる
バーコードのサイズが小さいと読み取り装置側で認識されない場合があるので注意しましょう。
また反対に大きすぎても同様ですので、印刷する用紙や印字倍率を確認することも大切でしょう。
読み取りにくい場所にバーコードを貼り付ける
印刷したバーコードを商品に張り付ける際はなるべく平らな部分にしましょう。
また別のバーコードが貼ってあると読み取り装置側で誤認識をしてしまうので、注意しましょう。
これらのミスを避けることで、バーコードを正確に作成することができます。
さいごに
いかがでしょうか。
今回は、
・VBAで数字(JANコード8桁/13桁)からバーコードを一括作成する方法
についてまとめました。
また、他にも便利な方法がありますので、よろしければご参照頂ければと思います。
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